私が書くのもおこがましい気がしますが、
今回は妊娠中の妻がマレーシアでどんな様子で過ごしていたのか、
私(夫)から見えていた範囲で記録しておこうと思います。
先日も書いた通り、幸いなことに妻は、いわゆるつわりというものがほとんどありませんでした。
毎日吐いてしまうとか、気分が悪くなるとか、食べづわりとか、
そういったものは私が見る限り、ほとんどなかったように思います。
事前に本などで情報を仕入れていた私は、
当人でないにも関わらず、
「つわり中の妊婦とはどう関わればいいのか」
という感じで、とても身構えていましたが、ホッと一安心でした。
本人も「ほとんど何もない」と言っていたくらいです。
ただ、眠気はすごくなる、とよく言っていました。
過去の写真を見返してみても、飲食店に行ったときの写真が結構残っています。
そんな中で、一つだけ少し心配だったことがありました。
通っていたクリニックで血液検査をしたところ、妊娠糖尿病に関わる数値が高いと言われたのでした。
私はそれまで、妊娠糖尿病というものがあることすら知りませんでした。
「糖尿病」という名前だけでも何やら怖い。
さらに調べてみると、母親や赤ちゃんへの影響についても書かれています。
それを読んでしまった私は、
これはちゃんと気をつけないといけないやつなんじゃないか。
と、少し強迫観念に近いものを抱いていたように思います。
医師から指導を受けると、自宅でも血糖値を測って記録する必要がありました。
そのための測定器を薬局のようなところで購入しました。
試験紙のようなものと、それを差し込んで数値を測る機械。
私は本当に何も知らなかったので、
こういうものって普通に薬局で買えるんだ。
というところからのスタートでした。
調べてみると、日本では医療機関から貸し出してもらえるケースもあるようですが、私たちはマレーシアで購入しました。
そこから妻は、朝食後だったり、次の日は昼食後だったりと、自分で血糖値を測るようになりました。
毎回、指に針を刺して少し血を出します。
それを測定器につけて数値を確認する。
針を刺すので当然痛いでしょうし、それを何度もやらなければならないのも手間そうでした。

ただでさえ体の中では大変なことが起きているはずなのに、
さらにこんなことまでしないといけないのか。
大変そうだなぁ、と思っていました。
とはいえ、私が代わって血を採るわけにもいきません。
何か手伝えることがあるわけでもなく、結局は横で見ているだけでした。
さらに大変そうだったのが、食事のバランス取りです。
マレーシアで外食をすると、甘いものや脂っこいものがかなり多い。
普段ならそこまで気にしないものでも、血糖値のことを考えるとどうしても気になります。
妻は意識してサラダを買ったり、先に野菜を食べたりしていました。
食べたいものを好きに食べることもできない。
しょうがないとはいえ、これも大変そうだなぁと思っていました。

一方で、マレーシアで妊娠生活を送っていて、ありがたいなと思ったこともあります。
少しずつ妻のお腹も膨らんできてはいましたが、
小柄だからなのか、いわゆる『魔女の宅急便』のおソノさんのように、
「あ、妊婦さんだ」
と、誰が見てもすぐ分かるほどではありませんでした。
それでも電車に乗っていると、妻のお腹に気づいた人が、
ここ座りなさい。
という感じで、席を譲ってくれることが何度もあったそうです。
もちろん人によるとは思いますが、その話を聞くたびに、
あぁ、マレーシアの人って本当に優しいんだなぁ。
と思いました。
私の目からも、妻のお腹が大きくなったという実感はそこまでありませんでした。
それよりも印象に残っているのは、胎動です。
あるとき妻から、
「今、動いてるよ」
と言われて、お腹を触らせてもらいました。
手を当てていると、中からぐいぐいと動いているのが分かります。
なんとも不思議な感覚でした。
もちろん頭では、お腹の中に赤ちゃんがいることは分かっています。
エコーでも見ていますし、心臓の音も聞いています。
それでも、お腹の中から、
ここにいるぞー
という感じで直接ぐいぐいと押されると、
あぁ、本当にここにいるんだなぁ。
そして、こんなに大きくなったんだなぁ。
と、また少し実感が増しました。
振り返ってみると、妻のマレーシアでの妊娠生活は、思っていたよりも普通に過ぎていきました。
もちろん妊娠糖尿病のこともありましたし、妻自身には、私には分からない大変さがたくさんあったと思います。
ただ、日常生活という意味では、それほど大きく変わらなかったようにも思います。
マレーシアだったことも、意外と助けになっていたのかもしれません。
遠出をするときはもちろんですが、
「ちょっとそこまで」
という距離でも、Grabを呼べばすぐに車に乗れます。
料金も、日本で毎回タクシーに乗ることを考えれば使いやすく、暑い中を無理して歩く必要もありませんでした。
むしろ、日本だったら、
なんで優先席におっさんが座ってるんだろう、とか、
なんでこんな狭い道をあんなスピードで車で走るんだろう、とか、
くだらないことでイライラしていたかもしれません。
そんなことからも、マレーシアで生活していてよかったなぁ、
と、妻の妊娠生活を横で見ながら思うのでした。

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