【体験談】まさかの骨折!マレーシアで病院に駆け込んでわかったこと

この記事は約11分で読めます。

「まさか骨折するとは思いませんでした。」
マレーシアでの生活に慣れてきた頃、ちょっとしたアクシデントで病院に行ったところ、
診断はまさかの “骨折”
命に関わるような大きな怪我ではなかったものの、生活にはしっかり支障が出ることに…。

今回は、実際に骨折してから診察・治療を受けるまでの流れや費用について、まとめています。
海外で暮らしている方や、これから移住を考えている方にとって
「もし怪我をしたらどうなる?」の参考になれば幸いです。

🛴 骨折した瞬間と初動

どんな状況で骨折したのか

こいつです。。。

私の住むコンドミニアムは、駅まで徒歩10〜15分
妻と一緒のときは迷わずGrab。
ひとりのときは「歩く? 呼ぶ? いや、E-scooterで行こう」の三択です。

その日も E-scooter(電動キックボード) を選び、駅へ向かっていました。

マレーシアの駅前や住宅街には、減速用のバンプ(わざと路面をせり上げる)が多く設置されています。
それに気づかず乗り上げ、時速約22kmのまま前方に投げ出されました。

アスファルトの上を、スタントマンのようにごろりごろり。
膝や肩を擦りむきましたが、服は無事。

当初はそのまま電車で出かける予定でした。
ただ、地面についた左手首が曲者。
少しでも曲げると、激痛と冷や汗。

異常を確信し、一駅だけ移動してUターン
そのまま帰宅する判断に切り替えました。

余談:お尻のポケットからスマホが吹っ飛んでいたのに気づかず。
近くを走っていたバイクの方が拾って届けてくれました。
本当にありがとうございます。

怪我直後にとった行動

手首は強い痛み熱感
腫れていた可能性はありますが、冷静に見極める余裕はありません。

「捻挫か打撲かな」と自己判断。
時間も遅かったため、Googleで応急処置を確認し、冷却シート(冷えピタ)を貼って就寝。

しかし翌朝になっても、痛みの強さは同じ
これはおかしい、と考え直し、朝イチでひばりクリニックへ。
(日本語通訳の方が同席してくれます/詳しくはこちら

症状を説明して診察。
結果は 「十中八九、骨折」 との見立て。

ただし、同クリニックにはレントゲン設備がありません。
なので、紹介状を受け取り、総合病院でのレントゲン検査と正式診断へ。
日本語の通訳はいないけど大丈夫ですか?
と聞かれましたが、無理ですともいえず、
覚悟を決めて、直行することにしました。

【超重要ポイント】大きな病院へ行く前の注意点
ここで非常に重要なポイントです。
マレーシアで大きな病院にかかる際は、まずクリニックで受診し、「紹介状」を書いてもらうことを強くお勧めします。

よっぽどの緊急性がなく、自力で動ける場合は、
クリニックで受診 → 紹介状をもらう → 大きな病院で受診
という流れを踏むようにしてください。

なぜなら、紹介状なしで直接大病院に行くと、保険が適用されない可能性があるからです。

ひばりクリニックで書いてもらいました。用紙は向こうで用意されていました。

マレーシアの病院で診察を受ける

ひばりクリニックで紹介状を受け取り、
いよいよ総合病院へ。

小さなクリニックから、
いきなり大きな病院に行くことになり、
通訳なくて大丈夫?というか保険って使えるのか?
緊張と不安が入り混じります…。

総合病院の受付へ|必要書類と流れ

とりあえずGrabで病院に向かい、
総合受付で「紹介状をもらってきた」と状況を説明しました。

すると
「まずは緊急外来(Emergency)に行ってください」
と案内され、そちらの窓口で改めて受付をすることに。

【病院到着後の流れ】

  1. 総合受付で状況を説明
  2. 緊急外来(Emergency)の窓口へ移動
  3. 書類記入・提出
  4. 緊急外来の医師による一次診断
  5. レントゲン撮影
  6. 専門医(整形外科)による最終診断

【受付での必要書類リスト】

  • パスポート
  • 会社の保険証(あれば)
  • クリニックの紹介状
  • 問診票(住所・電話番号など)

とにかく気になっていたのは、
保険が適用されるかどうか

受付で尋ねても、
返ってくるのは「状況によります」という回答のみ…。
不安は募るばかりでした。

とはいえ、「じゃぁ帰ります」というわけにもいきません。

ここで改めて覚悟を決め、
診察に臨むことにしました。

言葉の壁は?中学英語レベルで挑んだ診察室

受付を済ませ、
緊急外来担当の先生に呼ばれるのを待ちます。

その待っている間に、藁にもすがる思いで開いたのはChatGPTでした。

というのも、自分の英語力では、
医療に関する複雑な状況を正確に伝えられる自信がなかったからです。

そこで、ChatGPTにこうお願いしました。

「これからマレーシアの病院に行きます。骨折したかもしれない状況で、医師に伝えるべき英語のフレーズを教えてください」

【実際に準備したフレーズの例】

  • I think I might have fractured my wrist.
    (手首を骨折したかもしれません)
  • I fell off an e-scooter.
    (電動キックボードから落ちました)
  • Can I use my insurance?
    (保険は使えますか?)
  • It’s a sharp pain when I bend it.
    (曲げると鋭い痛みが走ります)

相手が言っていることが最悪わからなくても
とにかく伝えるべきことは伝えないと、と思い準備していました。

クリニックの方には
「総合病院はものすごく混むよ」
と言われていましたが、

平日の午前10時半頃だったためか、
そこまで混んでいる様子はありませんでした。

まず、緊急外来の医師による問診です。

「どうしたの? 症状は?」

「(スマホを見ながら…)I fell off an e-scooter.」

怪我の状況や症状の確認など、
基本的な流れは日本の病院とほとんど同じです。

ちなみに先生曰く、
「よくこの腕の状態で昨夜眠れたね?」
と驚かれるほどの状態だったようです…。

「うーん、これは骨折でしょう。」

「まずレントゲンを撮って、そのあと整形外科の専門医に診てもらいましょう」

医療や怪我に関する専門用語は、
正直半分も理解できません。

それでも、医師はとても丁寧に、
こちらが分かる平易な単語を選んで
話してくれている印象でした。

ちなみに骨折は英語で “Fracture”(フラクチャー) と言うそうです。
私はその程度の英語力ですが、ジェスチャーを交えれば十分コミュニケーションは取れました!

レントゲン、そして診断結果|治療方針が決定

一次診断を終え、レントゲン室へ。

角度を変えて何枚か撮影するのですが、
そのたびに腕を捻る必要があり、
激痛が走ります。

「ウッ…!」

思わずうめき声を上げると、
撮影技師の方が「Sorry, sorry…」と優しく声をかけてくれました。

なぜかレントゲン室に
日本の富士山の綺麗な写真が貼ってあり、
異国の地で少し誇らしい気持ちになったのを覚えています。

撮影後、再び待合室へ。
今度はレントゲン写真を見ながら、
整形外科の専門医による最終診断です。

「うん、やっぱり骨折だね」

診断結果は、やはり骨折。

ポッキリ折れたわけではなく、
左腕の前腕部の骨に、
縦に線が入るように割れているとのことでした。
(イメージとしては、割り箸が裂けるような状態です)

最も心配だったのは
「手術が必要かどうか」。

医師に尋ねると、

「現時点では必要ないけど、経過次第だね。」

「骨がズレてしまうと、ボルトで固定する手術が必要になるよ」

なんとも恐ろしい…。

手首を不用意に動かすと、
その振動で前腕部の骨が「パカッ」と開くように
ズレてしまう可能性があるとのこと。

なんとも恐ろしい…(2回目)。

そのため、処置としては、
「骨折部を悪化させないよう、手首を動かせないように固定する」
という方針に。

左手首から肘にかけて添え木(シーネ)を当て、
包帯でぐるぐる巻きに。

最後に三角巾で腕を吊るし、
処置は完了しました。

【この時点でのポイント】
マレーシアの私立総合病院の設備や医師のレベルは、日本と比べても全く遜色ない印象でした。

言葉の壁は多少あっても、Google翻訳などを使いながら、焦らずしっかり症状を伝えることが大切です!
(受付スタッフが大声でおしゃべりしているのは、ご愛嬌ということで。)

【治療と費用のリアル】全貌を公開します

診察が終わり、次に待っているのは予約と会計。
診断よりも恐ろしい(かもしれない)お金の話です…。

次回の予約と、いよいよ支払いへ

まずは受付で次回の診察予約をとります。

先生から「次回は2週間後ね」と言われていたので、
その情報が受付の方にも伝わっており、話はスムーズでした。

「2週間後だと○月○日だけど、何時頃が良い?」
「今なら何時でも大丈夫ですよ〜」

朝早い方が空いているかな?と思い、
朝イチの時間を予約して、ここは無事に終了。

そして、支払いの専用カウンターへ行くよう促されました。
いよいよ、ラスボスとの対決です。

【費用公開】実際にかかった総額はRM2090.88(約68,000円)!

とにかく細かく記載されています。

支払いカウンターでまず確認したのは、保険の適用について。

ひばりクリニックではその場で保険が使えていたので期待しましたが、
今回のような総合病院でのケースは、一度全額を自己負担し、後日申請する必要があるとのこと。

「あぁ、やっぱりそうなったか…」
というのが正直な気持ちでした。

(本当に後から返金されるのだろうか…?)
という一抹の不安を抱えながらも、支払いを済ませます。

レントゲン、処置、診察など、すべて込みで提示された金額は…

RM 2,090.88(約68,000円)

痛い…。
手首も痛いけど、お財布も痛い…。

この瞬間、「何がなんでも保険申請を通してやる」という固い決意が生まれました。

もちろん、約7万円もの現金をその場で持っているはずもなく、
支払いはクレジットカード一択です。
こういう突然の出費があるので、
ある程度口座にはまとまった金額を入れておかないとだなぁ
と改めて思いました。

なんと14日間のMC(診断書)が発行された話

14日間なんて最長です。

ちなみに、マレーシアではMC(Medical Certificate)という診断書を医師に発行してもらうと、会社を公式に休むことができます。

先日コロナに罹った時は「3日間」のMCでしたが、
今回の骨折で発行されたのは、なんと「14日間」

それだけ安静にしろ、ということなのでしょう…。

いざ、保険金申請!

午後は、ひたすら保険の申請作業に時間を費やしました。

私が利用したのは、マレーシアの現地採用でよく使われる「PM Care」という会社の保険です。

PM Careは、ウェブサイトとアプリの両方から保険申請ができますが、
今回私はPCのウェブサイトから申請しました。
これが結果的に正解で、なぜかウェブサイトとアプリで挙動が違い、
申請に必要な項目が「ウェブサイトにしか表示されない」という謎の現象があったからです。
もしアプリで上手くいかない時は、ウェブサイトも確認することを強くお勧めします。

申請作業は、明細の項目をウェブサイトに転記していくのがメインですが、
この明細が医療用語のオンパレード…。

もはや自力での解読は諦め、
スクリーンショットを撮ってはChatGPTに投げ込み、 「これ何て書いてあるの?」と聞きまくる作戦で乗り切りました。

謎のバグとの戦い(怒笑)

合計金額と合っていないといったようなエラーが。

そして、最大の敵はここからでした。
サイトの謎のバグです。

最初に治療費の総額(例:RM2090.88)を入力し、
その後、処置や薬代の詳細を入力していくのですが…

詳細金額の合計が、総額とピッタリ合わないと申請ボタンが押せないという仕様なのです。

当たり前ですよね。
でも、なぜか数値を正しく入力しても、合計金額が
「RM2090.868888888888」
のようにバグってしまい、永遠に申請できないループに…。

下のトータルの数字がわけわからないことに。。。

問い合わせフォームは壊れていて機能しない。
電話で戦う気力もない。
…さすがマレーシア。

最終的に、若干の誤差には目をつぶり、
バグらない一番近い数値で「えいやっ!」と申請してみました。

【結果】まさかの全額返金!

半ば諦めモードで申請しました。
ステータスもずっと申請中のまま。。。
2週間ほど経過して、やっとやっとステータスが切り替わり、結果は…

なんと、全額返金されました!!

どうせ一部だけだろうな、と期待していなかったので、
これは本当に嬉しい誤算でした。

とはいえ、ケースバイケースで全額が返ってくるわけではないようなので、
あくまで「今回はラッキーだった」くらいに考えておくのが良さそうです。
期待のし過ぎは禁物ですね。

まとめ:【前編】骨折から保険申請までで学んだこと

今回は、マレーシアで突然E-scooterで転倒し骨折、
病院での処置、そして高額な費用の支払いと保険申請までの一部始終をお届けしました。

あらためて、この時点で学んだことをまとめます。

  • マレーシアの私立総合病院の医療レベルは高い!
    設備も整っており、安心して治療を受けられました。
  • 大きな病院へは「紹介状」を持っていく!
       保険をスムーズに適用させるためにも、まずはクリニック経由が安心です。
  • 英語が苦手でも準備すれば大丈夫!
    ChatGPTなどを活用して、事前にフレーズを準備しておくだけで心の余裕が生まれます。
  • 初回の治療費は約7万円!いざという時のための「お金の備え」は必須!
    高額な立替払いに備え、すぐに使えるまとまったお金を準備しておくことが大切です。
  • 保険申請は面倒だが、諦めなければ道は開ける!
    今回は会社の保険でしたが、粘り強く申請した結果、全額返金も夢ではありませんでした。

さて、無事に治療の第一段階は終えましたが、
本当の戦いはここからでした…。

次回予告:壮絶!マレーシアでのギプス生活

次回、【後編】では…

  • 片腕での壮絶なギプス生活のリアル
  • シャワー、食事、仕事…どうやって乗り切ったのか?
  • そして運命の2週間後。再診で告げられた衝撃の事実とは?

…といった内容でお届けします。

果たして私の骨は無事にくっついているのか?
ぜひ後編も楽しみにお待ちください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました