マレーシアでの住まい探しもいよいよ後半戦。
内見を終えて、気に入ったコンドミニアムが見つかったあとは、
いよいよ契約、そして入居へと進んでいきます。
…とはいえ、日本と同じような感覚でいると、ちょっと戸惑う場面も。
英語の契約書、デポジットの支払い方法、入居前のチェックポイントなど、
初めての海外賃貸だからこそ
「これ知っておいてよかった!」
ということがいくつもありました。
この記事では、
**実際に体験した「契約から入居までのリアルな流れ」**
をまとめました。
これからマレーシアで部屋を借りる予定の方の参考になれば嬉しいです。
契約までの流れとエージェントとのやりとり

※今回お世話になったエージェントさんは、本当に丁寧で、
ここまで面倒見が良い人はなかなかいないと思います。
正直、純粋に「この人なら人に勧めたい」と思えるくらいの方でした。
ただし、すべてのエージェントさんがこうだとは限らないので、
そこは念のためご注意ください。
前回の記事にも書いた通り、2件の内見をさせてもらったのですが、
その時点で「6月3日に入居したい」という希望を伝えていました。
すると、すぐにこんな言葉が返ってきました。
「ということは、最短で結論を出しても約2週間。
ビジネスデイで10日くらいしかないから、ちょっと急がないとね。
何か気になることがあったら、いつでも聞いてね」
この時点で、「この人は頼れそうだな」と感じたのを覚えています。
後日、「契約する場合、デポジットはどれくらいになるのか?」
と聞いたところ、すぐに以下のような内訳を提示してくれました。
家賃1ヶ月分 → 前払い(予約金)
敷金2ヶ月分 → 退去時に返金される保証金
光熱費保証金0.5ヶ月分(RM1,400)→ 電気・水道の未払い対策
契約書作成料(RM550)→ 書類・手数料
この金額感は、私が事前に調べた限りでもマレーシアの相場通りで、
特に不当なものではありませんでした。
何よりも印象的だったのは対応のスピードです。
夜20時頃にWhatsAppで上記の質問を送ったのですが、
わずか10分後に返信が返ってきたんです。
「これはもう、この人にお願いしよう」
そう思えるだけの安心感があり、
納得できたうえで「このお部屋を契約したい」と伝えました。
とはいえ、当時はまだ日本からマレーシアへの送金が完了しておらず、
すぐに全額を用意するのは難しい状況でした。
そこで、「とりあえず今ある分だけでも支払って、
残りは後日でもいいですか?」と相談したところ、
「オーナーさんに伝えておくから、
RM〇〇だけ先に送金してもらえたら大丈夫ですよ。
もしWISEとか使ってるなら、送金もスムーズにできますよ。」
と、こちらの事情をしっかり汲み取って対応してくれました。
ビジネスとしてのやり取りとはいえ、 とても丁寧にフォローしてもらった印象です。
その後、やり取りの中でいくつか確認事項がありました。
ペットはいるか?
2人で住むということで間違いないか?
どれもシンプルな質問ですが、
きちんと確認してくれるあたりも丁寧でした。
そして、やり取りが進む中で大きな確認事項が1つ。
それが「入居日」についてです。
私は6月3日にAirbnbをチェックアウトする予定だったので、
そのまま同日に新居へ入るつもりでした。
しかし、エージェントさんからこんな提案が来ました。
「ソファがまだ準備中で、張り替えに時間がかかっていて…
できれば入居を6月10日にずらせないかな?
もちろん、6月3日でも入居はできるけど、
ソファが5日くらいになるかも。
どうされますか?」
事情はよく分かるし、配慮もありがたいのですが、
こちらとしては仮住まいの退去日=6月3日。
なので、
「ソファがまだでも全然問題ないので、
6月3日に入居させてもらえるとありがたいです」
と伝えたところ、
「No problem」
と、すぐに受け入れてくれました。
「無理を言ったかな…」と少し心配していたのですが、
しっかり事情を伝えてみたら、意外とすんなり通ったのが印象的でした。
海外では、黙っているよりも「自分の希望はきちんと伝える」ことが大切
だと実感した瞬間でもあります。
こうしたやりとりの中で、エージェントさんから最終的なメッセージが届きました。
「この内容で問題なければ、入金をお願いします。
確認が取れたら、他の方への内見はすべてストップします。
実は明日の15時にも他の方の内見予約があるんです。」
…この辺りは、もしかすると営業トーク的なものもあるかもしれません(笑)。
でも、物件の人気ぶりやスピード感を考えると、決して大げさな話でもなさそうでした。
ただこの時点では、送金処理のタイミングがマレーシアの祝日と重なってしまい、
全額の準備が間に合っていませんでした。
そこで再度、
「今、半額だけなら送金できます。それでもいいですか?」
と相談したところ、
「もちろんOKですよ」
と即答。
一部入金で部屋をキープしてもらい、のちほど残りの金額も無事に送金。
ようやく契約が完了し、入居へと進んでいきました。
お金の支払いを終えると、それまで以上にやりとりが一気に具体化していきました。
・パスポートの画像
・ビザページの画像
・インターネット契約についてどうするか
ちなみにインターネットについては、
TIMEというこちらで一般的な回線業者を紹介してもらいました。
料金も相場通りで、エージェントを通したからといって特別高くなっていることもありません。
問題なかったのでお願いすることにし、そのまま手続きもスムーズに進めてくれました。

そしていよいよ、 仮契約書兼一時領収書(LETTER OF OFFER TO RENT CUM TEMPORARY RECEIPT)
内容を確認して「いよいよだなぁ」と感じていたところ、
専用リンクと一時パスワードが送られてきて、
「このサイトにアクセスしてサインしてください」とのこと。
このあたりは完全にオンライン対応です。
指示に沿って操作し、無事にサインが完了しました。
数日後、向こうからも控え用のPDFが送られてきて、仮契約完了。
これが入居日の3日前のことでした。
「家どうしよう問題」がひとまず落ち着き、
このときは本当にホッとしたのを覚えています。
入居当日の様子と部屋のチェック

ついにこの日がやってきました。
この日は仕事がお休みだったので、
お昼の11時半にコンドミニアムでエージェントさんと待ち合わせ。
ゲートまで迎えに来てくれて、
「これがあなたのカードキーよ」と声をかけながら、カードキーを2枚手渡してくれました。
使い回されているものらしく、ピカピカではありませんでしたが、
それでもなんだかとても嬉しい気持ちになりました。
そこから一緒に部屋まで上がり、中へ入ってから一通りの説明を受けました。
以前話した通り、ソファーはこれから届く予定です。
薄いカーテン(Sheer Curtain)もその時に持ってきますね。
お部屋のクリーニングは完了しています。
キッチンも「ピカピカでしょ?」と笑顔で言われましたが、 そこはまぁ……そこまででもありませんでした(笑)
インターネットはソファーと同じ◯日に業者が来るように手配済み。
電気代はこのアプリから支払うのでインストールしてね。
水道代もこちらのアプリから支払うから、こちらも入れておいてね。
どちらのアプリも、設定まで一緒にやってくれました。
その後は、「家の中を一通り見て、変なところがないか確認してね」と言われ、
部屋をぐるっとチェック。
事前にエージェントさん側でも写真を撮ってくれていたようです。
ドアノブのガタつきや、タオル掛けのゆるみを指摘すると、
すぐに写真を撮って、「業者と一緒に後日直しに来るね」と対応してくれました。
とりあえず問題はなさそうかな、と思いながら見終えたところで、
エージェントさんからひとつ重大なお知らせが。
「大変申し訳ないんだけど、今日あなたが来る前に
最終確認でこの部屋を見ていたら、
メインのバスルームのお湯が出なくて…。
多分、給湯器の問題だから、後日業者と一緒に修理に来るね。
それまでの間、サブのバスルームを使ってもらえる?」
とのこと。
こちらが入居日を早めた都合もあるし、
サブのバスルームが使えるなら問題ないということで、快諾しました。
そのまま、最終の契約書のサインへ。
日本であれば、「こことここが重なるようにハンコを押してください」なんて言われそうですが、
そんなやりとりは一切なく、WhatsAppでPDFファイルが送られてきて、
内容に問題がなければ電子署名で完了というスタイル。
「Inventory Check List」なる書類もありました。
これは家具や備品が一式そろっているかどうかをチェックするためのリストで、
どの部屋に何があるかが一覧になっていて、これも電子で確認・返送しました。
書類のサインが終わると、これで引き渡しは一旦完了。
ソファーや給湯器など、まだ完全な状態ではありませんでしたが、
とりあえず**“宿無し状態”は避けられて**、ひとまずホッとしたのを覚えています。
スーツケースだけの引っ越しとその現実

部屋の引き渡しが終わり、いよいよ引っ越しです。
とはいえ、引っ越しと言っても、服と日用品が少しあるだけ。
食器も鍋も、冷蔵庫の中身もありません。
リュック+スーツケース1〜2個で全部収まる程度の荷物でした。
しかも、仮住まいのAirbnbと契約したコンドミニアムは、
正門から正門まで徒歩5分ほどの距離。
なんともかわいいお引越し。
……になる予定でした。
ですが、ここはマレーシア。
とにかく、日中は暑い。
ならば日が暮れてから運ぼうかと思ったのですが、コンドミニアム前の道路は大通り。
しかも、信号無視する車やバイクも少なくありません。
安全面を考えると、日没後の移動はそれはそれで怖い。
スーツケースも複数あって、持ち上げるのは無理。
歩道は一応あるものの、舗装はガタガタで、ひたすらガラガラと押して進むしかない状態。
さらに、ここで想定外の誤算がひとつ。
「正門から正門までは徒歩5分」と言いましたが、実際にはそこからが長いんです。
マレーシアのコンドミニアムは、敷地が広い。
つまり、正門から部屋までが遠いんです。
結果、片道で約15分。
近すぎてGrab(配車アプリ)を使うには微妙な距離でもあり、
かといって歩くには地味にきつい……。
そんなこんなで、小一時間かけて3往復して、なんとか引っ越しを終えました。
ありがたいことに、家具も家電もすべてそろっていたので、
何かをセットアップする必要は特にありません。
スーツケースを部屋に運び入れて、引っ越し完了。
プチ引っ越しのつもりが、意外と汗だくになった一日でしたが、
シャワーを浴びて、自室の窓から外を眺めながら飲んだビールの味は格別でした。
ちなみに、Airbnbのチェックアウトはとても簡単。
カードキーを借りたときと同じように、郵便ボックスに入れるだけで返却完了。
念のため、写真を撮ってオーナーに送っておきました。
マレーシアでの賃貸で感じたことと日本との違い
初めての海外賃貸契約ということで、最初は不安も多かったのですが、
結果的にはとてもスムーズに、
そして仕事の丁寧なエージェントさんにサポートしていただけたおかげで、
無事に入居までたどり着くことができました。
マレーシアでの部屋探し・契約・引っ越しを通して感じたのは、
**「わからないことは、ちゃんと聞けばちゃんと答えてくれる」**ということ。
日本と比べると、契約まわりはゆるいところもありますが、
その分、「自分で確認する・意思を伝える」ことがすごく大事だなと実感しました。
🇯🇵 日本との違い
家具・家電つきが前提。だから引っ越しも超ライト
水道や電気の契約はアプリで済ませる
(エージェントによってはすべて取り仕切ってくれるところもあります)
エージェントとのやりとりは、基本すべてWhatsAppで完結
「完璧じゃない状態で入居」が普通 (未設置の家具や修理待ちもよくあります)
これは聞いた話ですが、前のテナントが退去してから翌日には入居可能と言われることもあるそうです。
確かに日程的にはありがたいのですが、部屋が全然きれいになっていないまま引き渡されることもあり、
それでもしっかりクリーニング代が請求される…というケースもあるようです。
次回は、住み始めてから出てきたトラブルや、気づいたことをまとめていきます。
実際、けっこうありました(笑)
この記事が、これからマレーシアで賃貸を考えている方の参考になればうれしいです!